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気が付けばホラー小説ばかり・・・Σ( ̄▽ ̄)ハッ! [読書]

タイトルのまんまです。気が付けばホラー系の小説ばかり読んで
いて、多少の危機感を感じる今日この頃です[猫][ぴかぴか(新しい)]
ええ、多少です危機感は[黒ハート]
それでは個人的な記録のようになってしまいますが、(ブログだ
から構わないか)今日は本の話題です[本]


『残穢』  小野不由美 著

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【内容】
怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。
畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、
何かが床下を這い廻る気配がする。
だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで
起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る
意外な真実。
著者九年ぶりの五〇〇枚書き下ろし、戦慄のドキュメンタリー・
ホラー長編。


[かわいい]感想[かわいい]
小野不由美さんは、とても好きな作家さんです。
この方の『十二国記』シリーズの大ファンなので[るんるん]
十二国記も妖魔や麒麟などの神獣が出てきたりと、ホラーという
か、ファンタジーな世界観の作品です。
小野さんは妖魔、幽霊、怪物の類を好んで題材にする方なので、
この『残穢(ざんえ)』も幽霊、死の穢に纏わる『怪異』について、
独自の視点で書いていて、面白かったです。
そして、どことなく主人公の内面描写を意図的に控えたのかな
・・・と思わせるような文章でした。
記録本のような作りなんです。
なのでホラー小説では有るのですが、淡々と記録しているメモを
読んでいる気になりました。個人的には悪い意味でなく、怖さは
さほど感じませんでした。
どうもこの作品の主人公は、小野不由美さん自身のようですね。
経歴がまんまですし。
良いですね~・・・小野さんはホラーやファンタジーを題材とした
作品を書きますが、冷静に分析して客観的に捉えているんです
よね。
これは私自身にも通じる部分が有るんです[猫]
ホラーや怪談話は大好きだけど、盲目的には信じていませんよ[ぴかぴか(新しい)]
まっさか~!でも本当なら怖~い[がく~(落胆した顔)][るんるん]
くらいのもんですから。あはは。
まあ、それはさておき、この作品は小野不由美さん独自の怪異に
ついての解釈が面白かったです。
恨みや、何らかの無念を伴うような死は、穢れとなって残り、人々
に感染していくのだそうです。

例えば太郎の家で誰かが惨殺、自殺、とにかく遺恨を伴う死に方
をした者が居るとします。
この時点で太郎も太郎の家も『死の穢れ』に感染しています。
そして、太郎が次郎の家に行って飲食すると、次郎始め次郎の家
に住む家族全員が、家ごと『死の穢れ』に感染します。
反対に次郎が太郎の家に行って飲食したとしても、次郎が『死
の穢れ』に感染し、そのまま次郎の家に持ち帰ると、次郎の家の
家族全員感染。家自体も感染するようです。
(これは通夜とか葬式で飲食するとってこと・・・?)
ちなみに三郎が次郎の家で飲食すると、三郎は感染するが、三郎
の家族と家は感染しません。
ですが、次郎が三郎の家に来て飲食すると、三郎と三郎の家族、
家と、全てが感染します・・・・・
そして新たな登場人物、四郎が三郎の家で飲食しても、四郎は
感染しない。
『死の穢れ』の感染力は、感染源と関係が薄れていくに従って、
感染力も薄れていくということです。
・・・・どうですか~?理解できましたか皆さ~ん!(笑)
これは作品中で一番最初に『甲・乙・丙・丁』とかで説明されていた
ので、まるで判例集や契約書でも読んでいるようでした[ぴかぴか(新しい)]
あはは!解んないよ[わーい(嬉しい顔)]

話を戻して[猫]
・・・・そう、この『死の穢れ』に感染すると、変なものが見えたり聞こ
えたりするのです。
これが怪奇現象の正体なのではないかと作品で解説しています。

幽霊屋敷って有りますよね。
その名の通り、何人もの人がそこへ行くと幽霊らしきものを見たり、
妙な音、声を聴いたりしてしまうという幽霊屋敷。
これは幽霊がそこに居ると言うより、死の穢れに感染し、怪奇現象
が起きているのではないか・・・という理論です。
なので、その幽霊屋敷に行った者は、家に帰っても怪奇現象に
悩まされるという。
幽霊を連れてきてしまった、取り憑かれた・・・というより、『死の
穢れ』に感染したから、怪奇現象が見えるようになった、聞こえる
ようになった・・・という解釈です。
作品中では『死の穢れ』に感染した家で飲食をすると感染すると
いうことですが、私はそればかりでもないような気がします。
病気でも感染しやすい人と、感染しにくい人が居ますよね。
死の穢れに感染しやすい人、しにくい人もいるのかなと。
霊感0と霊媒体質みたいな。

この作品は怪奇現象の発生源を、聞き込みや文献を紐解きな
がら、時代を遡って解明していくものです。
それはもう淡々と[るんるん]
すっきりとした結末なんてものは有りませんでした。
でもそこが良いのです。
だって、現実的に怪奇現象は科学でも解明しきれていませんし、
かといって心霊学等、オカルト的な面でも解明しきれていません
から。

でも、ご安心あれ[黒ハート]死の穢れは、ある程度は御祓いだとか、
お守りだとかで回避できるのではないかと言うことです。
そりゃそうですよね。
世の中には殺人事件、自殺が後を絶ちません。それら全部が
死の穢れとなって人々を脅かしていたら、私たちはまともに社会
生活なんて送れませんから。

とにもかくにも、やはり小野不由美さんの作品は面白いですね[黒ハート]
今年の7月には十二国記の新作単行本が出版されるので、本当に
楽しみです[わーい(嬉しい顔)][ハートたち(複数ハート)]

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原みつる

小説は昔は読んでいたけど今は全然読んでいません^^;
菊池秀行さんとか夢枕獏さんとか読んでいました。
by 原みつる (2013-05-04 19:07) 

アリス

原みつるさん♪
菊池秀行さんと夢枕獏さん!良い作品を書く作家
さんたちだと思います!
私も幾つか読みましたもん(*´∀`*)♪
江戸川乱歩とかも好きです私♥
by アリス (2013-05-06 12:16) 

クローヴ

家ごと感染っていうのが怖いです(^^;
ごはんは自宅で食べようと思いました(笑)
by クローヴ (2013-05-08 18:04) 

アリス

クローブさんコメント有難うございます(*´∀`*)
そうです、お家ごはんが一番です!♪
そしてお客さんに、お水一滴も与えてはいけま
せん(笑)
by アリス (2013-05-20 18:54) 

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